2016年度のWebデザインでトレンドとなっている手法について解説しています。
「GIFアニメ」の現代版ともいえるのが「マイクロインタラクション」です。
フルFlashサイトが持てはやされた時代は「動くことが正義」のようでしたが、近年では動きのあるサイトは敬遠されがちでした。ところが技術の進歩により、動画を背景に用いるなど、再び動きのあるサイトが注目され始めています。
中でもマイクロインタラクションは、サイト全体を動かすのではなく、ユーザーに注目させたい部分に、少しだけアニメーションを組み込む技術です。このしくみなら、例えばサングラスメーカーであればレンズの表面を光らせたり、お酒のメーカーであれば缶ビールに水滴をたらしたりすることができます。
汎用性の高い技術なので、利用できる企業も多いのではないでしょうか。
グラフィックデザインでは当たり前であった「タイポグラフィ」が、Webデザインの世界でも一般的になってきました。
これまでタイポグラフィを意識した文字を作ると、画像データとして処理するしかありませんでした。そのため、重いデータをトップページに配置してしまったり、文字変更をしたい場合、再度データを制作したりする必要がありました。これでは、いくらデザイン性が高くても、運用面を考えると採用しにくいでしょう。しかし、「Google Fonts」や「Adobe Typekit」といったWebフォントの普及で、簡単に高解像度で印象的な文字を表現できるようになりました。
現状では、字詰めをするためにはjsやcssを使わなければいけないので少々たいへんですが、タイポグラフィ自体は普遍的なデザイン技術のひとつなので、今後廃れることなく使われていくでしょう。
モバイルファーストの考えから、急速に重要視されているのが「ロングスクロール」です。
ロングスクロールは、特に正式名称もなく「垂直スクロール」とも呼ばれるデザインです。モバイル機器を使ったブラウジングでは、クリックして新たにページを読み込ませるのはストレスが溜まります。そのため、モバイルユーザーはスクロールでの操作を好むことから、縦に長いデザインが意識されるようになりました。
デザインというよりも、むしろインターフェイスともいえますが、今後の需要を考えると「クリックさせるサイト」ではなく「スクロールさせるサイト」が主流になるのではないでしょうか。
フラットデザインの人気を後押しするようにトレンドとなりつつあるのが、80年代風の鮮やかな配色です。
元々、フラットデザインは立体感のない平面的なパーツで構成されたデザインです。フラットデザインが流行り始めたころはモノトーンが好まれていましたが、シックである反面、明るさに欠けるデザインになってしまいます。また、視認性という面では、モノトーンの階調変化だけでは限界もあります。
そこで、最近では立体感のなさを補うために、80年代風の鮮やかな配色を採り入れています。これにより、ユーザーの視認性を上げつつ、明るく鮮やかなサイトデザインが実現するのです。
カード
関連性のある情報をカード状のビジュアルにして、レイアウトしたものが「カード」です。国内では「カードスタイル」や「カードモジュール」など、さまざまな呼び方をされていますが、基本は同じです。Windows8のデザインも、カード状にレイアウトされていますね。
この手法は、デザインの基本である「近接」(情報の性質や意味が同じ要素を近くに配置してデザインすること)をベースにしている上、カード状のモジュールですから、モバイルサイトのデザインにも向いています。
前述の「ロングスクロール」や「80年代風の鮮やかな配色」とも共存しやすいデザインですので、汎用性は高いと思われます。
いかがでしたでしょうか?このようなデザイントレンドを自社サイトなどに反映させる場合、専門技術が必要なこともあるでしょう。「通常のサイト制作は自社で十分」という企業でも、デザイントレンドに関しては、専門知識のあるWeb制作会社に任せてみるのもいいかもしれません。